シュタインズゲートでは、現実の物理学理論を応用した設定があります。TVアニメでは、アインシュタインの相対性理論やバタフライエフェクトに基づく設定がありました。

負荷領域のデジャヴの映画では、主に量子力学を応用した設定があります。

ここでは、量子力学的な効果であるトンネル効果と波の重ね合わせ、それに量子力学のコペンハーゲン的解釈に基づく観測問題の設定について解説します。

【2014年6月16日加筆修正】

以下の解説での略語や言葉の意味
RS=リーディングシュタイナー
SG世界線=シュタインズゲート世界線

バーチャルリアリティデジャヴ
=肉体はSG世界線にあるのに、視覚と聴覚の世界線だけが別世界線になり、まるでSG世界線のものを別の世界線のものに変換して見聞きできるゴーグル(視覚情報)とヘッドホン(聴覚情報)をつけて、バーチャルリアリティのようにして見聞きするデジャヴのこと。

仮想的アクティブ世界線デジャヴ
=実際には世界線は移動していないが、仮想的にアクティブな世界線が移動して、肉体はR世界線にあるのに精神だけがその仮想的アクティブ世界線に行って、その世界線の映像情報や音声情報を見聞きするデジャヴのこと。


量子力学のコペンハーゲン的解釈に基づく観測問題

(1)基本理論

コペンハーゲン的解釈で観測問題を考える。

観測問題のことを、量子力学のコペンハーゲン的解釈でこれを説明すると、量子力学的な粒子の状態は、観測されない間の状態は不確定で、確率が許される範囲内の全てに存在していても良い状態で確率の波のような状態で漂っている。

しかし、観測した瞬間に波束が収束して、確率が1へと収束して、ただ一つの状態へと収束して、粒子としてのみ観測されて、波の状態は観測することはできない。観測されるときは常に粒子として観測されるが、観測される確率は、波の確率によって観測される。

すなわち、以下のようにいえる。

①観測された状態は確定している。
②観測されていない状態は確定しておらず、観測されるまで可能性のあるどのような状態も取れて、観測された瞬間に状態が確定する。
③観測される確率は、波の確率に依存する。

(2)岡部がR世界線にいる状態の観測について

例えば、R世界線にいる岡部の状態は、R世界線に岡部が存在することは確定しているが、それ以外の岡部の状態は、誰からも観測されないので、確率が許す全ての状態を取っても良い状態で、確率の波のような状態のままひたすら漂っていて、何一つ状態が確定しない。

(3)岡部の存在確率が50%の状態の観測について

SG世界線での岡部の存在確率 =50%
 R世界線での岡部の存在確率 =50%

という状態を観測するとどうなるかというと、観測した時点では、波束が収束してその世界線での存在が100%になり、岡部のその世界線で存在・状態が完全に確定されるが、岡部がその世界線で観測される確率が時間的に50%の確率で観測できなかったりできたりすることになる。

なので、例えば岡部を観測する実験を10回すると、

5回はSG世界線で岡部を観測できるが、
5回はSG世界線で岡部を観測できない

ということになる。

つまり、岡部が突然消えたり、出てきたりすることになる。


【追加】SGの数式と、量子力学の観測問題のコペンハーゲン解釈とエヴェレットの多世界解釈

参照:Steins;Gateの数式と導出される設定

SGの数式(Sa↑+Sb↑=0↑、物質の各種状態の反転対称性)
=(Sa↑+Sb↑)・G1↑
=(コペンハーゲン解釈+エヴェレットの多世界解釈)×量子力学の観測問題


(1)コペンハーゲン解釈による観測問題とSGの数式

コペンハーゲン解釈
=観測されるまで可能性のある全ての状態を取っていても良いが、観測された状態だけが確率が1へと収束して、観測されなくなった状態の可能性は消滅する。因果関係の矛盾は、自己無矛盾の法則や時間順序保護仮説により絶対にできない収束がかかる。

①アクティブな世界線は一つだけ

G1↑+G2↑=G1↑ or G2↑

②世界線を動かす鍵の消滅

SGの数式(Sa↑+Sb↑=0↑、物質の各種状態の反転対称性)
=(Sa↑+Sb↑)・G1↑=0
=世界線が動くと世界線を変える鍵:Sa、Sbとしての性質が基本的に消滅

③SGの数式を満たさない過去改変などは収束によりできず世界線は動かない


(2)エヴェレットの多世界解釈による観測問題とSGの数式

エヴェレットの多世界解釈
=可能性のある全ての状態が平行世界として無数に存在する。因果関係の矛盾は、別の平行世界に移動し、別の平行世界の存在による影響として処理される。

①非アクティブ世界線においても記憶は消滅せず、アクティブ世界線に世界線を越えてやってくる

Saの存在確率
=|Sa↑|^2=Sa(精神)^2+Sa(記憶)^2+Sa(物質)^2=1

非アクティブ世界線でのSa(RS)の存在確率
Sa(精神)^2≒0
Sa(記憶)^2≒1
Sa(物質)^2=0

|Sa↑|^2
=Sa(精神)^2+Sa(記憶)^2+Sa(物質)^2
=Sa(記憶)^2
=1

(Sa(記憶 )×Ey↑)・(G1(世界線)×Ey↑)
=Sa(記憶 )×G1(世界線)

②世界線を動かす物質のトリガーと想いは消滅せず残る

SGの数式(Sa↑・Sb↑=0 、物質のトリガー↑・想い↑=0)
=(Sa↑+Sb↑)・G1↑≠0
=Saの物質のトリガーとSbの想いで世界線が動き、移動した世界線でもその想いとトリガーは消滅せず残る。ただし反転対称となる想いとトリガーがあれば、世界線を変える鍵としての性質は消滅する。

③SGの数式を満たす過去改変などは収束に縛られず世界線を動かせる


以上から、完全に別世界線が平行して存在するわけではないが、完全に存在しないわけでもない。また、完全に世界線間で全く影響を及ぼしあわないわけでもなく、ある程度、非アクティブ世界線からアクティブ世界線へ与える影響がある。

すなわちシュタインズゲートは、コペンハーゲン解釈とエヴェレットの多世界解釈のいいとこ取りになっている。


量子力学的トンネル効果

岡部がSG世界線⇔R世界線を行き来してしまう理由と、ある世界線から極わずかな変動率差のある別世界線の記憶をデジャヴしやすい理由は、負荷がかかった状態のRSの暴走によって引き起こされる量子力学的トンネル効果によるものである。この量子力学的トンネル効果の解説を以下にします。

(1)岡部(精神、記憶、物質)は、量子力学的な確率の波となっている。

①精神、記憶、物質の存在確率があり、極微小な変動率差の世界線間で変動する。

|Sa(精神)|^2=Saの精神の存在確率
|Sa(記憶)|^2=Saの記憶の存在確率
|Sa(物質)|^2=Saの物質の存在確率

|Sa(精神)|^2+|Sa(記憶)|^2+|Sa(物質)|^2=1

参照:Steins;Gateの数式と導出される設定

② ①より岡部(精神、記憶、物質)は、量子力学的な確率の波となっている。

①より、岡部(精神、記憶、物質)は、負荷がかかった状態のRSの暴走によって非常に状態が不安定であり、量子力学的な確率の波となってその存在が不確定な状態になっていることになる。

(2)存在確率の世界線間の量子力学的トンネル効果

量子力学的効果として代表的なものが、極めて薄い壁なら確率の波がしみだして壁をトンネルすることができるという量子力学的トンネル効果がある。

それで、SG世界線とR世界線との変動率差は、極めてごくわずかな変動率差でありSG世界線とR世界線との世界線間の変動率差の壁は、極めて薄い。

そうすると、隣接する世界線間の壁は、通常(変動率差が厚い)なら通り抜けられないのだが、隣接する世界線間の極めて薄いわずかな壁ならば、つまり世界線間の変動率が極めて低いのならば、量子力学的な確率の波の状態になっている岡部の存在(=肉体と精神と記憶)は、世界線間の壁を量子力学的トンネル効果によりトンネルしてその存在確率が別世界線へとしみ出すことになる。

つまり、その存在が不安定になっていて、量子力学的な確率の波状態になっている岡部の存在(=肉体と精神と記憶)は、極わずかな変動率差の別世界線にならば、量子力学的トンネル効果により別世界線間を行き来することができる存在になっている。

逆に言えば、その存在が不安定になっていて、量子力学的な確率の波状態になっている岡部の存在(=肉体と精神と記憶)は、特定の世界線にその存在・状態を確定させ続けるのが難しく、極わずかな変動率差の別世界線との間を行ったり来たりしやすくなっている。

なお、量子力学的トンネル効果によりその存在確率が別世界線へとしみ出すことができる世界線は、その存在のとりうる状態があることである。

岡部で言えば、通常存在するはずのアクティブな世界線であるSG世界線か、岡部はSG世界線を拒否しているので、SG世界線ではない極微小の変動率差があるR世界線の2つの世界線しかとりうる状態がない。


(3)岡部の物質がSG世界線⇔R世界線を行き来してしまう理由
 = 物質の存在確率の世界線間の量子力学的トンネル効果

(1)と(2)より、量子力学的な確率の波となっている岡部の物質の量子力学的トンネル効果が考えられて、これが岡部の物質がSG世界線⇔R世界線を行き来してしまう理由である。

物質の存在確率の世界線間の量子力学的トンネル効果 =
量子力学的な確率の波状態になっている岡部の物質は、世界線間の変動率が極めて低いのならば、世界線間の極微小の壁を量子力学的トンネル効果によりトンネルして物質の存在確率が別世界線へとしみ出してしまう効果。

(4)本来の記憶がある世界線から極わずかな変動率差のある別世界線に記憶が移動し、その別世界線の記憶をデジャヴしやすい理由
= 記憶の存在確率の世界線間の量子力学的トンネル効果

(1)と(2)より、量子力学的な確率の波となっている岡部の記憶の量子力学的トンネル効果が考えられて、これが本来の記憶がある世界線から極わずかな変動率差のある別世界線に記憶が移動し、その別世界線の記憶をデジャヴしやすい理由である。

記憶の存在確率の世界線間の量子力学的トンネル効果 =
量子力学的な確率の波状態になっている岡部の記憶は、世界線間の変動率が極めて低いのならば、世界線間の極微小の壁を量子力学的トンネル効果によりトンネルして、記憶の存在確率が別世界線へとしみ出してしまう効果。これにより記憶が、過去に実際に体験して記憶した世界線からわずかな変動率差だけずれた世界線に移動してしまい、その世界線でのこと、記憶をバーチャルリアリティや夢のような感覚で体感、体験してしまう。


記憶の量子力学的トンネル効果により、岡部の記憶が過去に体験したα世界線から極わずかな変動率差のあるα世界線内の別世界線に移動してしまい、実際には体験していないα世界線での出来事を、デジャヴとして鈴羽とサイクリングやなえが萌郁殺害するという現象を体感していた理由である。

さらに記憶の量子力学的トンネル効果により、世界から岡部の記憶が消失することになっている。


(5)本来の精神(主観)がある世界線から極わずかな変動率差のある別世界線に精神(主観)が移動し、その別世界線の記憶を見聞きする理由
= 精神(主観)の存在確率の世界線間の量子力学的トンネル効果

(1)と(2)より、量子力学的な確率の波となっている岡部の精神(主観)の量子力学的トンネル効果が考えられて、これが本来の精神(主観)がある世界線から極わずかな変動率差のある別世界線に精神(主観)が移動し、その別世界線のことを見聞きする理由である。

精神(主観)の存在確率の世界線間の量子力学的トンネル効果 =
量子力学的な確率の波状態になっている岡部の精神(主観)は、世界線間の変動率が極めて低いのならば、世界線間の極微小の壁を量子力学的トンネル効果によりトンネルして精神(主観)の存在確率が別世界線へとしみ出してしまう効果。


精神(主観)の世界線間の量子力学的トンネル効果により、精神(主観)の世界線が本来の体験しているSG世界線から極わずかな変動率差のあるSG世界線内の別世界線 に移動してしまい、実際には体験していないSG世界線での出来事として少女化し服装変化したクリスと岡部が出会っているかのように感じることになる。

つまり、バーチャルリアリティデジャヴは、精神(主観)の世界線間の量子力学的トンネル効果により起こっている。


■量子力学的トンネル効果に関する設定

①本来世界線は、記憶だけにより指定される。が、RSの負荷(RS獲得の代償で存在確率減少)があるときは、記憶の世界線、精神の世界線、物質の世界線の3つの世界線に分離されている。

②量子力学的トンネル効果により、精神、記憶、物質の本来のあるべき世界線からは極わずかにしかずれられない。なので、物質と記憶の世界線はアクティブ世界線から極わずかにずれたR世界線にしかいけない。

③【バーチャルリアリティデジャヴの設定】
物質がアクティブ世界線にある状態だと、精神の世界線もアクティブ世界線から極わずかにしかずれられない。

④【仮想的アクティブ世界線デジャヴの設定】
物質が非アクティブ世界線にある状態だと、全状態が未確定なので実質的に物質は消滅しているのと同じになる。物質がない状態の精神の世界線は、その時点までのその人物が記憶している世界線のものならば、世界線の変動率が離れていても壁がほとんどないのと同じように変動できる。

物質がない状態の精神の世界線であっても、その時点までのその人物が記憶している本来あるべき世界線からずれられる世界線の変動率は、量子力学的トンネル効果から極わずかでしかない。


量子力学的な波の重ね合わせ

映画のラストでは、岡部とクリスは二人ともRSの負荷により、物質、記憶、精神は量子力学的な確率の波となっている。が、物質と記憶はアクティブ世界線にあって確定している。

なのでゆらいでいて確率の波となっているのは、精神(視覚と聴覚)だけである。

それで、二つの量子力学的な確率の波が重ね合わさると、干渉により一つの波となり、二つの波の中心位置の中間に波の中心がくることになる。

つまり、波の重ね合わせ状態を観測すると、二人の精神(視覚と聴覚)の世界線の中間の世界線で観測されることになる。

観測される世界線=(クリスの世界線 + 岡部の世界線)/2
        =(SG世界線+R世界線)/2
        = R’世界線

これが映画のラストで、二人の精神(視覚と聴覚)の世界線が、R’世界線で一致してお互いに観測できるようになった理由である。

2014年01月20日 06:00│Comments(0)

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